2005-11-01から1ヶ月間の記事一覧

麦芽(モルト)

果実原料に引き続き、いよいよデンプン質が原料の酒を分類してみよう。その前に酒造りにとって、特に大事な材料について一章を割く。それが今回取り上げる大麦、つまり麦芽(モルト)である。 大麦で酒の原料になるのは二条大麦。これは麦の穂に実が2列に並…

果実原料

これまで醸造と蒸留について説明したが、もう一つ酒の造り方について説明するなら「糖化」について述べなければならない。もちろんオリゼーが「デンプンを糖に変えます」と言っているそれであり、発酵について・基礎1でちょこっと説明した通りである。要す…

発酵について・基礎2

前回は酵素について説明したので、今回はいきなり解糖経路について解説する。解糖経路はEMP経路とも言い、酵母のアルコール発酵や、筋肉内での解糖でも行われている代謝である。 とは言え、専門用語の羅列に終わるので、あんまり面白くは無い。要するにブ…

蒸留

酒の分類について書くに当たり、どういう書き方をするにせよ、最初に書いておかなければならない区分がある。まずは「醸造酒」「蒸留酒」「混成酒」の3つに大別しないといけない。 醸造酒 「糖食べたらアルコール出ちゃった」したもの 蒸留酒 醸造酒を蒸留…

シリーズ 書名 著者名 出版社 バイオテクノロジー教科書シリーズ(7) 応用微生物学 谷 吉樹 コロナ社 ポピュラーサイエンス(249) 発酵食品への招待 一島 英治 裳書房 岩波新書(334) 日本酒 秋山裕一 岩波書店 岩波新書(513) 現代の感染症 相川正道 永倉貢一 …

発酵について・基礎1

酒造りの基本になるのはS・セレビシエ(以下「酵母」)の「糖食べたらアルコール出ちゃった」だが、微生物である酵母が、直接糖をアルコールに変換する操作をしているわけではない。微生物がいくら小さいとは言え、微生物と分子の大きさの違いは1000倍…

単行本2巻のアオリ文句で、「菌増量・本誌連載と単行本スゲー違いますけん」と書かれているが、実際にどの程度違うかはどこにも書かれてないのである。そこでさっくり調べてみた。 表1、14話の頭2ページ 「もやしもん 14話です」 「一ヵ月の ごぶさた…

発酵について・前文

全ての酒の基本になるのは「糖食べたらアルコール出ちゃった」である。およそ全ての酒は「糖食べたらアルコール出ちゃった」を経ていると考えていい。「もやしもん」作中でもこの点は実にうまく原理を描かれているが、実際に酵母の体内でどのような現象が起…

菌一覧(1巻・1版)

csv形式なのでコピペしてExcelででも利用して下さい。 なお、ウイルス等も無理やり入れてあるので、ソート時にはご注意ください。属,属読み,種,種読み,一般名,話数,話頁数,巻数,巻頁数 Pediococcus,ペディオコッカス,halophilus,ハロフィルス,,2,5,1,39 Aspe…

酒の分類について・前文

「もやしもん」にはこれまでの連載でも日本酒、焼酎、ワイン、ビール、どぶろく等が登場しているが、それぞれの酒は、どのように作るかご存知だろうか。 ビールは麦から作るとか、ワインは葡萄から作るとか、漠然と答えられる方は多いだろうが、それでは「日…

もやしもん知識庫

石川雅之著「もやしもん」を読み解くための文章置き場とする。 内容はとりあえず、ただひたすら知識を記述する。 「はてな」初体験なので、設定はしばらく放置。 頑張る。